12月7日よりNHK朝ドラ「おちょやん」第2週「道頓堀、ええとこや~」がスタートしました。
継母の策略で9歳にして奉公に出ることになった毎田暖乃(まいだのの)ちゃん演じる幼少期の竹井千代(たけいちよ)は、生まれ育った南河内から道頓堀に出てきます。
初めて見る華やかな街並みに、千代は浮足立ちます。
そして奉公先である芝居茶屋「岡安」で働くことになり、そこで芝居の世界に出会い女優を志していくことになります。
第7話では「岡安」に人気喜劇一座の「天海一座」がやってきます。
一座を率いる座長の天海天海(あまみてんかい)を演じるのは茂山宗彦(しげやまもとひこ)さんです。
この天海天海はあらすじでは第2週の間に急死してしまうことになっています。
モデルとなっているのは喜劇俳優の渋谷天外(しぶやてんがい)さんですが、史実でも同じように亡くなっているのでしょうか?
この記事では天海天海一座の座長天海天海の死について実話なのかと、演じる茂山宗彦さんについて紹介していきます。
天海天海のモデルの初代渋谷天外も若くして死んだ?実話が気になるネタバレは?
奉公に出された、竹井千代(毎田暖乃)は、道頓堀にある芝居茶屋「岡安」にやってくる。「岡安」を取り仕切るのは、女将の岡田シズ(篠原涼子)だった。千代はひと月の間に女中の仕事を覚えるという条件で、女中として働き出す。ある日、道頓堀に喜劇の天海一座がやってきて、千代はその一座の子役、一平と出会う。一平は芝居が嫌いだし、酒飲みの父の天海の事が大嫌いだと話す。そんなとき、天海が突然、亡くなってしまう。
引用元:公式サイト
【動画あります📹】
小さな千代ちゃん、一生懸命頑張ってたのに…どんな思いで父に別れの言葉を告げたのか。
テルヲよ、あんたはほんまにお父ちゃんなんか…?
残されたヨシヲも気になるなぁ…次週の #おちょやん 、チラリと動画をどうぞ!https://t.co/Xitkpao535#おちょやん次週予告
— 朝ドラ「おちょやん」放送中 (@asadora_bk_nhk) December 4, 2020
千代と天海一平の出会い!
以下第2週のネタバレとなる箇所もあるのでご注意ください。
千代は道頓堀の芝居茶屋「岡安」へやってきました。
篠原涼子(しのはらりょうこ)さん演じる女将の岡田シズ(おかだしず)からは1か月以内に女中の仕事を覚えるという条件を出され見習いとして働くことになります。
🎍#おちょやん 登場人物紹介🎍
岡田シズ🍵#篠原涼子
千代ちゃんの奉公先は芝居茶屋。そこの女将(おかみ)=ご寮(りょん)さん、がシズさんです
どうか優しいお方でありますように…
篠原涼子さんは #朝ドラ 初出演。着物姿がステキですっ!
\放送開始まであと12日/
#11月30日放送開始 pic.twitter.com/9BRFTMJjqe
— 朝ドラ「おちょやん」放送中 (@asadora_bk_nhk) November 18, 2020
道頓堀では茶屋や料亭で働く小さい女中さんのことを親しみをこめて「おちょやん」と呼んでおり、千代の呼び名もおちょやんとなりました。
忙しく目まぐるしい毎日をおくる千代は何日も風呂に入れなかったある日、臭くなった髪を通りの桶で洗って濡れたままの髪でトボトボと帰っていました。
すると千代を同じ年頃の男の子が声を掛けてきました。
「なーんや、人か」
男の子は濡れた千代を河童だと思ったようです。
「どこが河童や!」と千代は言い返します。
天海天海が一平の父親
翌朝岡安に茂山宗彦さん演じる初代天海天海が率いる喜劇一座「天海一座」がやってきます。
喜劇界で日本一と呼ばれている「万太郎一座」を追い抜く勢いがあると言われている喜劇一座です。
その座長の天海天海の息子は千代が前の晩に出会った男の子、中須翔真(なかすとうま)くん演じる天海一平(あまみいっぺい)で、千代はまさかの再会に驚きます。
一平は子役として喜劇に登場していましたが、ある日昼公演が終わると仮病を使って岡安の部屋に戻ってきました。
千代は一平を心配しますが、その時に一平は酒好きで女好きの父親の天海が嫌いだと千代に話します。
一平の父と自分の父を重ね、自分と同い年で学校に行っていないという一平に親近感を感じた千代は
「うちらもう親友やな!」
と一平に言います。
天海天海の突然の死
数日後の夜千代は酔っぱらった天海を迎えにいきます。
すると天海は千代に祝儀袋を差し出しました。
「一平のこと親友や言うてくれたそうやな。その礼や。」
天海は自分のせいで一平に寂しい思いをさせていることに心を痛めていたのです。
しかしその晩天海は突然倒れ亡くなってしまいます。
天海の葬式は道頓堀の劇場えびす屋で盛大に行われました。
その夜千代はシズのお使いに出た千代は道端で父親を失ったばかりの一平に遭遇します。
そして千代は天海と話したあの夜のことを一平に伝え、
「あんたのお父ちゃん、ホンマはあんたのこと、気いもんでたで」
と伝えます。
信じられないと恨み言を言いながらも、一平の目からは涙が溢れ千代も一緒に涙します。
親に捨てられた千代は父親に想ってもらっていた一平を羨ましく思うのでした。
このように天海は本当は息子の一平を大切に想っていました。
しかし2人の想いはすれ違ったまま天海が亡くなってしまいます。
千代のおかげで一平は父親の気持ちを知りちゃんと泣くことができたのです。
道頓堀で運命的な出会いをした千代と一平はその後、公私ともにパートナーとなっていきます。
今回「おちょやん」は女優浪花千栄子(なにわちえこ)さんの半生をもとにしたストーリーとなっていますが、この天海の急逝についても実話がもとになっているのでしょうか?
天海天海のモデルの初代渋谷天外の死は実話なの?
後に千代の夫となっていく一平を演じるのは成田凌さんで、一平は二代目渋谷天外さんがモデルとなっています。
初代天海天海のモデルとなっているのは初代渋谷天外さんです。
ちなみに三代目渋谷天外さんも現在喜劇俳優として活躍しており、「おちょやん」には守衛の守屋(もりや)役で出演します。
三代目渋谷天外さんにとっては二代目が父親、初代が祖父という関係になります。
初代渋谷天外さんは和歌山県出身で幼い頃に奉公に出ていました。
しかし奉公先を転々とした後、奉公先を飛び出し道頓堀の仕出し料理屋で働き始めました。
その仕事の中で千日前の芝居小屋に弁当を運ぶうちに鶴家団十郎(つるやだんじゅうろう)さんの芝居の魅了され、仕事そっちのけで芝居を見にいくようになります。
その結果仕出し料理屋をクビになってしまいますが、そのまま鶴家団十郎さんのところへ行き弟子にしてもらい鶴屋団治という芸名で役者の道を歩み始めます。
そして明治39年に曾我廼家箱王とともに「箱王・団治一座」を旗揚げし、成功をおさめます。
翌年に鶴屋団治から渋谷天外と改名し、一座も「楽天会」と改名しました。
楽天会は道頓堀に進出し、勢いのある喜劇一座となっていきました。
渋谷天外さんには息子渋谷一雄(しぶたにかずお)がおりこれが一平のモデルでのちの二代目渋谷天外となります。
渋谷天外さんは息子を役者にせず学校に進学させるつもりでしたが、ある時子役の代役で息子を出演させそのまま一雄も役者の道を歩むことになります。
しかし2年後初代渋谷天外さんは名古屋で公演中に喀血し、肺壊疽で35歳の若さで急逝しています。
志半ばで10歳の息子を残して亡くなってしまったのです。
楽天会は初代渋谷天外死去後は衰退し、亡くなってから6年後に解散となってしまいました。
ちなみに天海一平のモデルの二代目渋谷天外さんも父親にわだかまりがあったそうです。
二代目渋谷天外さんが6歳まで本当の母親を思っていたのは実は養母で、本当の母親は父の初代渋谷天外さんが一座を旗揚げする前に同棲していた昔の恋人でした。
しかし旗揚げ時にスター候補の役者に妻や子どもがいては人気がでないと考え、話し合った結果本当の母親は息子を生んだ後父のもとから身をひいたのです。
実際には別れさせられた形でしたが、父が劇団を立ち上げる為に本当母親を捨てたと思っていました。
「おちょやん」では父の死後千代のおかげで2人のわだかまりは解けていますが、実際には長年父親にわだかまりを抱えていたようです。
これ以外は「おちょやん」の天海天海のストーリーも渋谷天外さんのほぼ史実通りで実話をもとにしていることがわかります。
茂山宗彦さんと子役の中須翔真くんがどのように役者として生きる親子を演じるのかとても楽しみです。
それでは最後に初代天海天海を演じる茂山宗彦さんについて紹介していきます。
天海天海役の茂山宗彦のプロフィールは?
1975年6月4日生まれ
二世七五三の長男趣味:ルアーフィッシング・自転車
好きな物:魚
好きな言葉:ありがとう!!おやすみなさい!!
好きな狂言:上手に出来た時の狂言
引用元:公式サイト
茂山宗彦さんは現在45歳の狂言師、俳優です。
【西村兄妹キモノ店の四方山話】
\狂言師・茂山宗彦さん @happyismoppy と対談!/
40年の芸歴を振り返りながら、昔話も交え、お仕事についての想いをお聞きしました。
才能って?親子で同じ仕事をするって?
宗彦さんの魅力がたっぷりと詰まったお話を、ぜひご覧ください。https://t.co/ca0DRl5zNv pic.twitter.com/lofTsYc2R7— 西村兄妹キモノ店 (@kimono_kyoto) January 18, 2020
大蔵狂言師二世茂山七五三(しげやましめ)さんの長男で、4歳の時に「以呂波」で初舞台を踏んでいます。
弟の茂山逸平(しげやまいっぺい)さんも狂言師として活躍しており、2014年には従兄弟の茂山茂(しげやましげる)さんと3人で「花形狂言少年隊」を結成しています。
「花形狂言少年隊」は若い世代に狂言を広める為に活動し、海外でも公演を行っておりNHKの「トップランナー」にも取り扱われました。
狂言の世界でも活躍されている茂山宗彦さんですが、俳優としてもドラマやミュージカルなどに出演しています。
今回「おちょやん」は3回目の朝ドラ出演で、前回出演した2007年放送の「ちりとてちん」では落語家の徒然亭草若(つれづれていそうじゃく)を演じました。
貫地谷しほり(かんじやしほり)さん演じる落語家を目指す主人公和田喜代美(わだきよみ)の兄弟子で「底抜けに…」の決め台詞で注目を浴びブレイクしました。
ドラマの出演は「ちりとてちん」以来となります。
「ちりとてちん」はNHK朝ドラの中でも人気上位で、いまだにファンが多い作品なので今回茂山宗彦さんが朝ドラに再出演ということで喜んでいる方もとても多いようです。
これを機に今後はもっとドラマにも出演し俳優としての姿も見せてほしいですね。
天海天海のモデルの初代渋谷天外の死は実話?まとめ
第2週で道頓堀にやってくる天海一座の座長天海天海は志半ばで突然亡くなってしまいますが、これはモデルとされている初代渋谷天外さんのほぼ史実通りのストーリーでした。
演じるのは狂言師として活躍する茂山宗彦さんです。
短い出演になりますが、一平が今後役者の道を歩んでいく大きなきっかけをくれた重要な人物です。
是非一平と天海の親子の絆にも注目してみてください。