NHK連続テレビ小説「まんぷく」は。日清食品創業者の安藤百福さんと仁子さんご夫婦をモデルにしています。
安藤百福さんがモデルの萬平を長谷川博己さんが、そして妻の仁子さんをモデルにした福子は安藤サクラさんが演じています。
現在手榴弾所持によって「反乱罪」とみなされ、逮捕されてしまった萬平たちたちばな塩業の従業員たちは、未だ釈放されずにいるのでハラハラしている視聴者も多いのではないでしょうか。
ですがこれは史実とは違い、実際には百福さんは反乱罪では逮捕されていません。
ですが「脱税」によって百福さんは逮捕されています。
今回は史実の「脱税逮捕」についてまとめました。
さて、安藤百福さんと進駐軍との元ネタとは???
未放送素材第3弾! 萬平さんのマグショット(逮捕後に撮られる写真をこう呼ぶらしいです)!
こういう写真だと罪を犯したように見えますが、この方はそんな方ではありません!
萬平さんは、悪くなーーーーーーーい!#まんぷく #朝ドラ #長谷川博己 pic.twitter.com/RuogqPSapB— 【公式】連続テレビ小説「まんぷく」 (@asadora_bk_nhk) 2018年12月5日
安藤百福と進駐軍との元ネタとは?
当時の日本は進駐軍(GHQ)が統治していました。
その頃安藤百福さんは製塩や栄養食品のほかにも、専門学校の経営などいろいろな事業を展開している資産家であり、政治家や大阪のGHQの幹部とも親しくしていたといいます。
そんな百福さんのもとには100人以上の若者がいて、喧嘩騒ぎなどを起こしますが、百福さんがGHQに頼んで釈放させたりしていたそうです。
ドラマの塩軍団なんてもんじゃない人数がいたんですね!
そんな若者が集まり、政治家やGHQの幹部などと親しくしていた百福さんに警視総監が目をつけ、製塩事業にからんで警察が百福さんの身辺をかぎまわるように。
それが面白くなかった百福さん、塩業は私利私欲のためにやっているわけではない、と内務省の高官に捜査をやめさせるように訴えました。
そもそも塩は売るために作っていたわけではなく、若者に仕事を与えるために始めたもので、実際に塩は売らずにご近所に無料で配っていたそうです。
このように百福さんの行動には、全く後ろめたいところもなく、むしろ周りの人の役に立つような行動をしていたんです。
ですが警察の捜査をやめさせた百福さんの行動に立腹したのが警察です。
1948年のクリスマスの夜。
百福さんが親しくしていたGHQの大阪軍政部長の転勤に伴い、百福さんは府知事や財界人を招いて送別会を開きました。
会が終わって帰ろうとしたとき、百福さんはMPに連行されてしまうのです。
親しかったGHQの幹部が転勤した途端の出来事でした。
安藤百福はどうして脱税で逮捕されたのか?
百福さんが逮捕された容疑は脱税。
泉大津で働く若者たちに支給していた奨学金が所得とされ、その分の税金を納めていなかったというものです。
いいことをしたはずなのに、罪になるなんて、ちょっとひどいですよね〜。
本来であれば税務署が対応するはずなのに、出てきたのはGHQ。
およそ1週間という短い期間で有罪が確定し「4年の重労働」という判決が出ました。
こんな短期間で判決が決まるのもまさに出来レース!
百福さんの意見は全く聞いてもらえたなかったそうです(T . T)
このとき大阪の財務局により百福さんの所有していた工場や家山林などの不動産もすべて没収、百福さんは東京拘置所(巣鴨プリズン)に拘束されました。
当時脱税が横行していて、GHQとしても歳入不足に悩み税務局に厳しくするようにお達しを出していたそうです。
ところが!その頃の日本人は強かった!
税務署に対し激しい反対運動が起きたのです。
困った税務署が百福さんに目をつけ、ちゃんと税金を納めないとこうなりますよ、と言わんばかりに百福さんの名前まで出して新聞に掲載。
さすがにこれには百福さんだって怒っちゃいました。
弁護団を作り提訴します。
ただ、刑は重労働でしたが重労働は1度もしたことがなく、食事も米兵と同じだったそうで、当時貧しかった国民よりもいい暮らしをしていたんだそうです。
同じく収監されていた巣鴨には、戦争の容疑で逮捕されていた政治家や財界人などもいて、なんとここで麻雀まで覚えたんだとか。
結構自由にはできていたようなので、それだけは救いでしたね。
脱税で逮捕された安藤百福はその後どうなるのか?
百福さんはある日税務局からこう持ちかけられます。
訴えを取り下げたら即釈放してもいいんだけど・・・
ふざけんな!
と百福さんが思ったかどうかはわかりませんが(笑)どうやら優秀な弁護団により百福さんに有利な状況になってきたのでしょう。
税務署に対する世間の厳しい目が向けられる中、百福さんが裁判で勝っちゃったりしたら、ますます税務署の立場は不利になります。
百福さんはこの提案を却下、自分の無実をはらそうとしました。
ですが・・・毎月小さな子供を連れて大阪から面会に来る妻仁子さんの泣きながらの訴えに心が揺さぶられます。
収監されてから2年近く経ったある日、長男の息子と1歳半の長女を連れてまた仁子さんが面会にきて、寂しい思いを伝えます。
45分の面会が終わると、手を振って帰っていく子供たちを見て、百福さんは提訴を取り下げる決心をしたそうです。
切なかったんでしょうね。家族が恋しくなったのかもしれません。
百福さんが提訴を取り下げると、すぐに釈放されました。
ですがそのとき百福さんの髪の毛は、半分が白くなっていたそうです(T . T)
これが百福さんが脱税で逮捕された史実です。
釈放されたあとも、百福さんの波乱万丈なジェットコースター人生は続きます。
いつになったら安らかな時間が訪れるのでしょうかー?
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「まんぷく」で萬平(長谷川博己)のモデルとなっている日清食品創業者の安藤百福さんは、進駐軍の大阪軍政の部長と親しくしていましたが、その部長が転勤になった途端脱税容疑で逮捕されてしまいました。
脱税といわれたのは、従業員に渡していた奨学金の税金を納めていなかっというものですが、これは明らかに見せしめの逮捕です。
あっという間に4年の重労働という重い判決が出ますが、百福さんは弁護団を組んで提訴。
優秀な弁護団により百福さんの立場が有利になると、今度は役人から提訴を取り下げれば釈放すると言われます。
でも言われのない罪を認めたくない百福さんはこれを拒否しますが、最後は仁子さんと幼いこどもたちのために提訴を取り下げ、即刻釈放されました。
最初の軍需物資横領の逮捕といい、この脱税での逮捕といい、2度も言われのない罪で逮捕されるなんて、不幸としか言いようがないですよね(T . T)
さて、ドラマは今後どのような展開を迎えるのでしょうか。
そして神部(瀬戸康史)とタカ(岸井ゆきの)の恋模様もどうなるのか楽しみです♪