NHK連続テレビ小説「なつぞら」は、広瀬すずさん演じる奥原なつがヒロインです(現在は子役の粟野咲莉ちゃんが大活躍中♪)。
今回なつのお父さんが、とても絵が上手だったことがわかりましたね(^ ^)
実はヒロイン奥原なつは、日本アニメの草創期に活躍した女性アニメーターの奥山玲子さんがモデルなんです。
小田部羊一さんに奥山玲子さんのことをお伺いしました。幅広く、色々な人に読んでもらえればと思います。
朝ドラ『なつぞら』のモデル「奥山玲子さん」を知ってますか? | FRIDAYデジタル https://t.co/VPfoCjQmyb #なつぞら
— E-SAKUGA@さよ朝、寫眞館、他準備中 (@ESAKUGA) 2019年3月31日
今回はこの奥山玲子さんについていろいろと調べてみました!
これまでに携わった作品、それに結婚や子供は?
さて、なつのモデルである奥原玲子さんとはどんな女性だったのでしょうかー。
広瀬すず演じるなつぞらのヒロイン奥原なつとは?
まずはドラマのヒロイン、奥原なつについてのご紹介です(^ ^)
奥原なつ(おくはら なつ):広瀬すず(子供時代・粟野咲莉)
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昭和12(1937)年生まれ。
両親を戦争で亡くし、兄妹と別れ、父の戦友・柴田剛男(たけお)に引き取られ、十勝に移り住む。
剛男の義父・泰樹(たいじゅ)のもとで、牧場を手伝ううちに、持ち前の明るさを取り戻す。
高校卒業後は上京し、草創期を迎えていたアニメーション業界に飛び込む。
アニメーターとして、大自然の中で育まれたみずみずしい感性を発揮していく。
引用元 https://www.nhk.or.jp/natsuzora/cast/
本当は離れたくなかった兄と別れ、剛男(藤木直人)に引き取られ北海道十勝までやってきたなつ。
みんなに気を使いつつ懸命に働き生きているなつに、視聴者のみなさんも涙したのではないでしょうか。
そんななつもやがては笑顔を取り戻し、大きく成長していきます。
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おじいちゃんの泰樹(草刈正雄)には、牧場を継いでほしいと言われますが、なつには夢がありました。
それはアニメーションの世界へ飛び込むこと!
高校を卒業したなつは、東京へ行きアニメーションの世界へと入ります。
そんななつのモデルとなっているのが奥山玲子さん。
さて、どんな女性なのでしょうか!
なつぞらヒロインのモデル奥山玲子のプロフィールは?結婚や子供は?
名前 奥山玲子(おくやま れいこ)
生年月日 1936年10月26日
ご存命であれば現在82歳となられますが、残念ながら2007年肺炎のため70歳でお亡くなりになっています(T . T)
ドラマのヒロインなつは東京で生まれ北海道で育ちますが、奥原玲子さんはその中間地点にある仙台市に生まれ、東北大学教育学部へ進学しています。
ですがこれはご本人が望んだものではなく、スパルタ教育だった父親に無理に入れられたそうです(^_^;)
結局我慢できずに中退し家出同然で上京。とっても行動的な女性だったんですね!
外国語大学に入るつもりで、受験までのあいだのバイトとして東映動画スタジオのアルバイトに応募、だんだん面白くなってそのまま働き続けることになったそうです。
東映動画の長編1作目となる1958年に公開された「白蛇伝」では動画を担当し、その後も「少年猿飛佐助」などで認められ、1962年の「アラビアンナイト シンドバッドの冒険」では技術が必要とされる原画を担当。
その後もテレビアニメーション「狼少年ケン」「魔法使いサリー」「ひみつのアッコちゃん」などで作画監督をするなど、日本のアニメーション業界の草創期からずっと携わって来ました。
安月給だったという奥山玲子さんですが、とてもファッショナブルな洋服で出勤されていたそうで、いつ同じ洋服で出勤するのかと同僚の大塚康生さんがスケッチを始めたとか(笑)
そして1963年同僚の小田部羊一さんと26歳でご結婚♪ちなみにおふたりは同じ年齢です。
新婚旅行はスケジュールなしの奥軽井沢。型にはまらない奥山玲子さんらしいですよね。
出産し2年後にまた仕事に復帰しました。
お子様については人数や性別などについてはわかっていません。
当時東映動画は入社する時「結婚したら退職する」という誓約書を書かされたり、一生独身を迫られたりといった、かなりブラックな一面があったそうです。
それに反発した奥山玲子さん、結婚しても会社に残り、産休後に復帰しました。
また労働組合活動などにも参加、経営陣と対立するなど、強い意志と信念を持った女性だったようです。
奥山玲子のこれまでの作品は?
ひとくちにアニメーターといっても、みんながみんな絵を描いてるわけではありません。
ざっくり分けると3つの仕事に分担されます。
・原画
絵コンテをもとに、ポイントとなるいくつかの絵を描きます。
・動画
原画の間に入る絵を書き足し、絵がスムーズに動くようにします。
おもに新人が動画を担当。
・作画監督
原画の修正をしたり、作品のクォリティを統一させる責任者。
このように仕事が分担されているんですね。奥山玲子さんもやはり動画から始めていました(^ ^)
奥山玲子さんが手がけた作品です。
■白蛇伝(1958) 動画
■少年猿飛佐助(1959) 動画
■西遊記(1960) 動画
■安寿と厨子王丸(1961) 動画
■アラビアンナイト シンドバッドの冒険(1962) 原画
■わんぱく王子の大蛇退治(1963) 原画
■わんわん忠臣蔵(1963) 原画
■ハッスルパンチ(1965-1966) 作画
■太陽の王子ホルスの大冒険(1968) 原画
■長靴をはいた猫 (劇場/1969) 原画
■空飛ぶゆうれい船(劇場/1969) 原画
■海底3万マイル(1970) 作画監督
■ひみつのアッコちゃん(1969-1971) 作画監督 44話 61話
■どうぶつ宝島(劇場/1971) 原画
■アリハバと40匹の盗賊(劇場/1971) 原画
■さるとびエッちゃん(1971-1972) 作画
■マジンガーZ(1972-1974) 作画監督 69話 原画 75話
■ながぐつ三銃士(1972) 原画
■魔犬ライナー0011変身せよ(1972) 原画
■ミクロイドS(1973) 作画監督
■マジンガーZ対デビルマン(1973) 原画
■ミラクル少女リミットちゃん(1973-1974) 作画監督 3話
■きかんしゃやえもん D51の大冒険(1974) 原画
■マジンガーZ対暗黒大将軍(1974) 原画
■アンデルセン童話 にんぎょ姫(1975) 作画監督
■宇宙円盤大戦争(1975) 原画
■ゲッターロボG(1975-1976) 作画 31話 37話
■長靴をはいた猫 80日間世界一周(1976) 原画
■母をたずねて三千里(1976) 作画監督補佐
■あしたへアタック(1977) キャラクターデザイン
■龍の子太郎(1979) 原画
■じゃりン子チエ(1981) 原画
■名犬ジョリィ(1981-1982) 原画 32話 38話
■火垂るの墓(1988) 原画
■注文の多い料理店(1991年完成) 作画
■冬の日(2003) 原画
引用元 https://www18.atwiki.jp/sakuga/pages/447.html
若い方はあまりご存じの作品がないかもしれませんね(^_^;)
「火垂るの墓」でさえもう30年以上も前!でもこの作品はテレビで何度も再放送されているので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
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このふたり、ちょっと似てませんか?
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そして不朽の名作「母をたずねて三千里」なんと1976年なんですね!監督は高畑勲さん、奥山玲子さんは作画監督補佐をされています。
[amazonjs asin=”B008YS4LOQ” locale=”JP” title=”母をたずねて三千里 ファミリーセレクションDVDボックス”]動画から原画へとなった始めての作品が「アラビアンナイト シンドバッドの冒険」。
[amazonjs asin=”B01JA2OSM4″ locale=”JP” title=”アラビアンナイト シンドバッドの冒険 DVD”]綾瀬はるかさんで実写映画化された「ひみつのアッコちゃん」などでは作画監督もされました。
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本当に仲の良いご夫婦だったんですね♪
1985年から東京デザイナー学院のアニメーション科の講師をしたり、日本アニメーションやディズニージャパンなどで新人の研修や技術指導をされたりと、多くの人材を育ててきました。
また銅版画も手がけるようになり、「注文の多い料理店」では銅版画調のアニメーションを制作、新作も計画していたそうですが、結局は果たせなかったそうです(T . T)
大学を中退してからお亡くなりになるまで、ずっと日本のアニメーションに携わってきた女性アニメーターの第一人者が奥山玲子さんです。
まとめ
奥山玲子さんについて「ファンタジックでユニークなセンスを持っている」というのが、1963年の同僚たちのコメント。
大学を中退し上京、その後偶然に出会ったアニメーションに青春を捧げます。
結婚し出産してまた職場復帰、会社の環境を良くするためにも尽力された女性です。
この行動力と信念を貫く意志の強さ、素晴らしいですよね!
ドラマでは動画スタジオのセットにもこだわりがあり、動画机などは東映アニメーションからお借りしたものなんだとか。
そんな細かいところにも注目しつつ、今後の「なつぞら」を楽しみたいと思っています!