私利私欲のためではなく、世の中の役に立つことをしたかった、ということを改めて福子(安藤サクラ)によって思い出すことができた萬平(長谷川博己)。
そして世の中には質の悪い油を使っている粗悪品が出回り、安いからという理由で消費者がその粗悪品を購入しているという事実も・・・。
「世の中の役に立つ仕事がしたい。
みんなが喜んでくれるような仕事を」福ちゃんはこの言葉を忘れていませんでした。
集中するあまりに目的を見失ってしまっていることに気づき、適切なアプローチで軌道修正をはかる。
見事なマネジメント力!#まんぷく #朝ドラ #安藤サクラ #長谷川博己 pic.twitter.com/RTpZ7TbqNx
— 【公式】連続テレビ小説「まんぷく」 (@asadora_bk_nhk) 2019年2月27日
そんなことがあり、これから萬平は「日本即席ラーメン工業協会」を設立することになります。
今回はその「日本即席ラーメン工業協会」についてまとめてみました。
「日本即席ラーメン工業協会」って本当にあるのでしょうか!?実在するのでしょうか?
そもそもこの協会が作られるきっかけは、粗悪品が出回っていたからですが、実際にチキンラーメンの偽物は出回っていたのでしょうか?
そしてモデルとなる協会は実在した?
今後の原作のネタバレあります!閲覧注意です。
まんぷくで日本即席ラーメン工業協会が設立された経緯とは?
まんぷく猿渡イライラムカつく!でも田中哲司の悪役演技が上手い
ネタバレです!!
質の良くないまんぷくラーメンの偽物が出回っていることを受け、萬平(長谷川博己)は自分の特許を安く解放し、粗悪品が出ないようにしようと考えます。
ところが!
なかなか傘下に入ってくれる会社が現れません(T . T)
言い方は悪いですが、質が良かろうが悪かろうが売れてしまえばこっちのもの!わざわざ特許料を払う必要なんてない! って思ったんでしょうね(^_^;)
でもこのまま質の悪いインスタントラーメンを見過ごすわけにはいかない・・・。
そんなとき世良(桐谷健太)の紹介で、元食糧庁長官だった大物政治家、土井垣隆三(奥田瑛二)に会うことができました。
世良の顔の広さにもびっくりですが、まさかヒロイン福子を演じる安藤サクラさんの実父である奥田瑛二さんが登場するとは!
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そして土井垣議員は萬平と世良の話を聞き、こんなアドバイスをします。
即席ラーメンの協会を設立し、そこで特許を無料で開放しては?
無料??? 確かに粗悪品はなくなりますが、それだとまんぷく食品に利益は一切入りません(T . T)
利益が出ないことに世良が反論しようとしますが、萬平はこの提案を受け入れます。
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この萬平の決断に、土井垣議員も食糧庁に掛け合い、協会の設立に協力すると約束してくれました。
そしてそれから1ヶ月後にできたのが「日本即席ラーメン工業協会」。
初代の会長には、萬平が就任することになりました。
無料で萬平が開発した安心安全なインスタントラーメンの製造方法を教えてもらえるのであれば、他の企業だって萬平の製造法と同じようにしますよね。
これでようやく粗悪な偽物を追い出すことができました。
さて、実際にチキンラーメンの偽物ってあったのでしょうか?
チキンラーメンの偽物は実際にあったのか?
チキンラーメンにも偽物がありました! しかもたくさん!!
チキンラーメンが発売されたのが1958年8月で、1959年には爆発的なヒット商品となり、1960年には多くの類似品が出回るようになっていました。
安藤百福さんが即席ラーメンの製造法の特許と、包装袋の意匠を出願したのが1959年1月でしたが、すぐに特許がおりるわけではありません。
まずチキンラーメンに商標が認められたのが1960年9月。
これによって他の会社は「チキンラーメン」という名前と似たようなパッケージで販売ができなくなりました。
ですが製造法の特許については、似たような製造法で特許を出願している会社も多くあり、混乱していたそうです。
そのため粗悪品の流通はなくならず、特許を巡って対立が起こっていました。
ドラマの萬平と同じように、この粗悪品については安藤百福さんも頭を悩ませていたといいます。
1960年、類似品を作っていた会社が「全国チキンラーメン協会」を設立し、日清食品に対し「チキンライスと同じでチキンラーメンは普通名詞」という主張をしてきたりと、各地でいろいろな協会が乱立しました。
どんな協会があったのかというと。。。
全国即席ラーメン協会
西日本チキンラーメン会
京浜チキンラーメン会
関東チキンラーメン会
などなど
ようやく日清食品に特許がおりたのは1962年のことでした。
ですがこれでも混乱は収まらず、特許に関する争いは続いていきます。
さて、この混乱はどうやって収束するのでしょうか?
実際に日本即席ラーメン工業協会のモデルはあったのか?
まんぷく坂部【今野浩喜】のモデルが実在!日清食品も引き抜きが?
ここで登場するのが食糧庁です!
ドラマでは奥田瑛二さん演じる土井垣隆三ですが、実際にこのような個人名は見当たらなかったので、あえてモデルとするなら当時の食糧庁長官かもしれません。
1963年9月、食糧庁長官の名義でこのような勧告がきました。
お互いの特許を尊重し、特許使用に関する許可はひとつの協会でまとめるように
これを受け、安藤百福さんは1964年5月に「日本ラーメン特許」を設立し、特許の管理はそこで行われることになります。
そして1964年6月に「日本ラーメン工業協会」が設立され全部で56社が加入、初代の理事長には安藤百福さんが就任しました。
この「日本ラーメン工業協会」は、特許とは切り離したもので、お互いの特許を尊重し品質の向上に努める、という趣旨のもの。
この「日本ラーメン工業協会」はその年の9月、農林省より社団法人として許可され、6年間続いたチキンラーメンの偽物特許騒動は収束へと向かいました。
ということで、ドラマの「日本即席ラーメン工業協会」のモデルは「日本ラーメン工業協会」です!
粗悪品を追い出し消費者の信頼を得たことで、今日のインスタントラーメンの地位があるのかもしれませんね。
この史実を見る限り、ドラマでも萬平にとっての苦悩はまだ続きそうです(T . T)
安息な日が訪れるのはいつのことでしょうか・・・。
まとめ
NHK連続テレビ小説「まんぷく」で、粗悪品を追い出すべく萬平は元食糧庁の長官だった土井垣隆三衆議院議員(奥田瑛二)に相談します。
そこで特許は無料で公開し、業界をまとめる協会を作ることをアドバイスされます。
特許を無料で開放するとまんぷく食品には全くお金が入ってきませんが、萬平はこれを了承し「日本即席ラーメン工業協会」を設立。
この協会のモデルとなているのが「日本ラーメン工業協会」です。
日清食品創業者の安藤百福さんが設立し、1964年初代の理事長となり、その後会長となって1989年まで務めました。
現在は「日本即席食品工業協会」と名前を変えていますが、食の安全と安心、そして品質向上に対する理念は変わっていません。
この「日本ラーメン工業協会」をモデルにしている「日本即席ラーメン工業協会」。
ドラマではどのように描かれるのか楽しみです♪