浪花千栄子と花菱アチャコのラジオドラマは実話?

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浪花千栄子(なにわちえこ)さんはNHK朝ドラ「おちょやん」ヒロイン、竹井千代(杉咲花)のモデルとなる、大阪のお母ちゃんと慕われた女優です。

「おちょやん」では塚地武雅(つかじむが)さん演じる花車当郎(はなぐるまあたろう)と、夫婦役でラジオドラマをすることになりましたね。

当郎のモデルは、人気漫才師だった花菱アチャコ(はなびしあちゃこ)さん。

ということは、浪花千栄子さんと花菱アチャコさんがコンビになってラジオドラマが放送されたのでしょうか??

今回は朝ドラ「おちょやん」の千代と花車当郎のモデルになった浪花千栄子さんと花菱アチャコさんがラジオドラマで夫婦役を演じたのは実話なのか?史実をご紹介します。

また浪花千栄子さんと花菱アチャコさんのご関係についても、まとめていきます。

さて、このラジオドラマは実話なのでしょうか?「おちょやん」ではタイトルが「お父さんはお人好し」ですが、このタイトルも実話???

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目次

浪花千栄子と花菱アチャコのラジオドラマは実話なの??

おちょやん藤森家のキャスト一覧を子役から13人【お父さんはお人好し】

浪花千栄子さんの失踪は実話で、花菱アチャコさんは当時人気絶大の漫才師です!

まずは、離婚後の浪花千栄子さんの失踪の実話から見ていきましょう。

失踪した浪花千栄子

浪花千栄子さんは「おちょやん」の千代(杉咲花)と同じく、夫の裏切りにより新喜劇を退団しその後行方不明になりました。

不倫相手、九重京子さんの妊娠がわかったあとも、同じ劇団でお芝居を続けていた浪花千栄子さんですが、京子さんが出産したころに劇団を辞め姿をくらましています。

「おちょやん」では小さいときに千代を追い出した継母の栗子(宮澤エマ)が救いの手を差し伸べましたね。

でも実際に千栄子さんの継母はとっても酷い人で(^^;)、そのようなことはなかったようです。

失意の中千栄子さんは自殺も考えたほどだったそうです。

いつもお金を搾取されきた父親から逃れ、女優としてスタートすることになった、縁起の良い京都に行き、そこで住む場所を確保した浪花千栄子さん。

世間の目から逃れるように、着物を売りながらひっそりと暮らしていたそうです。

花菱アチャコとは

花車当郎【はなぐるまあたろう】のモデルは花菱アチャコで漫才師?

花菱アチャコさんは浪花千栄子さんより10歳上で、吉本所属の人気漫才師でした。横山エンタツさんとコンビを組んだ「エンタツ・アチャコ」は当時大人気となったコンビです。

1913年、15歳のときに新派の劇団に入りますが、16歳で漫才に転向し芸名を花菱アチャコとしています。

当時の漫才は音楽を取り入れ、芝居や浪曲踊りなどを取り入れたものが主流でしたが、そこに革命を起こしたのがエンタツ・アチャコです。

現在の漫才の主流となっている、しゃべりだけで人を笑わせるという漫才を始めたのです(≧∇≦)

ですがこのしゃべくり漫才の初めての芝居は不評となってしまい(^^;)、客からみかんの皮を投げられてしまうほど(笑)

その後吉本興業に所属し、1930年に再びエンタツ・アチャコが結成。当時庶民に大人気だった東京六大学野球のネタなどで人気となっていきました。

ですが4年後に花菱アチャコさんが中耳炎にかかり入院してしまいます。仕方なく横山エンタツさんは別の人とコンビを組み、花菱アチャコさんも退院後は別の人とコンビを組んでいました。

当時ふたりはエンタツ・アチャコとしてシリーズで映画にも出演していましたが、映画ではコンビを継続。花菱アチャコさんはそのころからアチャコ劇団を旗揚げし、全国を廻るようになります。

エンタツ・アチャコは「キースとアサリ」として「わろてんか」にも登場しましたね。

第二次世界大戦が終わり、花菱アチャコさんにラジオドラマのオファーが来ました。このころも花菱アチャコさんは、舞台や映画などで大人気。

一番最初のラジオドラマが1952年の「アチャコ青春手帖」。脚本はさん長沖一さん。生瀬勝久さんのモデルです。

企画したのはNHK大阪放送局でした。大人気の花菱アチャコさん主演ということで、放送前からかなり話題となったそうです。

花菱アチャコのラジオドラマで浪花千栄子探し

「アチャコ青春手帖」は、当時50代半ばだった花菱アチャコさんが20代の青年に扮したラジオドラマ。声だけなら年齢差があっても大丈夫と思ったそうです。

そしてアチャコの相手役となるのは、アチャコさんの母親役。大阪弁が話せてアチャコさんのアドリブに対応できる女優、ということで浪花千栄子さんが挙がったそうですが、このとき千栄子さんは新喜劇を辞め行方不明。

NHK大阪放送局の芸能部長だった佐々木さんの部下で、当時ディレクターだった富久進次郎さんが浪花千栄子さん探しに奔走したそうです。

「おちょやん」では野村尚平さんが演じている桜庭三郎のモデルが、富久さんになるのかもしれませんね。

浪花千栄子さんは京都にいる、との情報からいろいろと探しますが、放送開始が1か月後に迫っても見つかりません。

たまたま入った居酒屋が千栄子さんの住んでいる家の近くで、さっき銭湯に行くのを見たとの情報が!

こうして無事に浪花千栄子さんに会うことができました。

このとき浪花千栄子さんは生活に困窮していたようで、大阪に行く旅費もないほど。富久さんは旅費としてお金を渡し、大阪に戻ったそうです。

この辺りは「おちょやん」とは違いますね。花菱アチャコさんが直接交渉に行ったわけではないようですし、浪花千栄子さんもすぐに出演を了承しています。

ということで、浪花千栄子さんの失踪は実話で、浪花千栄子さんを探して交渉したのはNHK大阪放送局の富久さんというディレクターでした。

花菱アチャコさんは、現在のしゃべくり漫才を始めてやった偉大な漫才師。戦後もずっと人気の頂点にいた人物です。

浪花千栄子と花菱アチャコのラジオドラマの史実とは?

浪花千栄子は再婚した?離婚後の失踪は実話なの?

大阪に行った浪花千栄子さんと、花菱アチャコさんはその後いくつかのラジオドラマでコンビを組んでいます。

アチャコの青春手帖

ふたりの初めてのラジオドラマは「アチャコの青春手帖」。

「おちょやん」では「お父さんはお人好し」なので実話とは違います。

1952年にはラジオドラマ「君の名は」が放送され社会現象に。その年の「アチャコの青春手帖」も大ヒットとなり、ラジオドラマが大人気となりました。

浪花千栄子さんは花菱アチャコさんの母親役として登場。千栄子さんの柔らかな大阪弁は、本物の大阪弁と評され、アチャコさんのボーっとした(^^;)しゃべりととてもマッチしていたそうです。

浪花千栄子さんのイントネーションは、大阪の人にとってもどこか懐かしく、本物の大阪弁と親しまれました。

河内出身の浪花千栄子さんでしたが、道頓堀の仕出し弁当屋で子どものころから働いていたり、京都のカフェーでホステスとして働いていたことから、やわらかい大阪弁を話していたそうです。

それまで漫才の影響で汚いというイメージだったという大阪弁(^^;)の印象を変え、全国からも受け入れられるきっかけとなりました。

ラジオを聴いている人は、本当の母親に話しかけられているような気持ちで聞き入っていたそうです(^-^)

ドラマはどんどん人気となり、半年後には映画化もされるほど。結局103回の2年間続き、次の作品も決まりました。

次は「ほろにが物語・波を枕に」でしたが、こちらのラジオドラマは人気が今ひとつ・・・(^^;)

浪花千栄子さんと花菱アチャコさんは、前回の親子役から夫婦役に変わり、困惑したファンからは苦情も届いたとか。

結局このドラマは半年で終了してしまいます。

お父さんはお人好し

そして次の作品が「お父さんはお人好し」。「おちょやん」では千代の復帰第1作目となる作品ですね。タイトルはドラマも実話と同じです。

このドラマでもふたりは夫婦役。焼き芋屋の父親を花菱アチャコさんが、その妻のちえを浪花千栄子さんが演じました。

このドラマは、夫婦と12人の子どもたちとのささやかな日常を描いた庶民的な作品で、1話完結で放送されました。

漫才師の花菱アチャコさんと、喜劇女優だった浪花千栄子さんはアドリブを駆使し、そのおかげで自然な雰囲気が醸し出されたそうです。

「お父さんはお人好し」はどんどん人気を上げ、全国各地で聴取率第1位を記録しました。長沖一さんの日常生活のお行儀がちりばめられた、台本も人気に一役買ったそうです。

この「お父さんはお人好し」は放送回数が500回の1965年まで続きました。放送中に長沖一さんと花菱アチャコさん、それに浪花千栄子さんの2人がそれぞれNHK放送記念文化賞を受賞しています。

それだけ大人気となり、庶民に影響を与えたドラマのなったのですね。

浪花千栄子と花菱アチャコの関係とは?

おちょやん春子のモデルは浪花千栄子の養女?

浪花千栄子さんと花菱アチャコさんは、あまりにもラジオドラマでの夫婦役が定着しすぎて、実際に夫婦だと思われることが多かったそうです。

共演者やスタッフたちも、ふたりをお父さんやお母さんと読んだり、役目の「阿茶太郎」「ちえ」と呼んでいたとか。

地方で収録するときに、旅館が同じ部屋を用意したり、酔っ払いからアチャコさんが「奥さん放っておいてどこいくねん」と言われたりしたそうです(^^;)

ラジオドラマの公開録音のとき、浪花千栄子さんが台本を1ページ飛ばしてしまう、というハプニングがあったそうですが、そこからアチャコさんとのアドリブの応酬でなんとか切り抜けたこともあったとか。

若い共演者たちは「芝居の粋というものを観させてもらった」と語っていたそうです。

そんなことからも、本当に息の合ったお二人だったのだと思います。

おふたりが初めてラジオドラマでコンビを組んだのが、アチャコさんが50代半ば、千栄子さんは10歳下なので40歳半ばです。

なのでお互いに恋愛ではなく、長く一緒にいる夫婦のような関係だったのではないでしょうか。

浪花千栄子さんは最初の夫、二代目渋谷天外さんと離婚後は独身を貫いています。花菱アチャコさんは3人の女性と結婚されたそうです。

浪花千栄子さんとのラジオドラマが始まったころ、2番目の奥さまと別居中だったようですが、その裏には愛人の影が。。。(^^;)

昔は芸人には愛人がつきものだったのでしょうか(^^;)

そんなアチャコさんを見て、浪花千栄子さんは男はコリゴリと思ったのかもしれません。

結局おふたりはラジオドラマで、10年以上もの間コンビを組んでいます。

信頼関係がなければ続かないですよね。

こうして人気者になった浪花千栄子さんは、その後も「島之内言葉の使い手」と呼ばれ大阪が舞台のドラマや映画では欠かせない女優になりました。

ということで浪花千栄子さんと花菱アチャコさんは、当時は本当の夫婦に間違えられたそうですが、実際には違います。

信頼関係で結ばれた、親友のような間柄だったのではないかと思います。

アドリブの効いたラジオドラマ「お父さんはお人好し」。「おちょやん」でどう描かれるのか楽しみですね(^-^)

浪花千栄子と花菱アチャコのラジオドラマは実話のまとめ

【おちょやん】はなかごは栗子が送り主?最新考察

浪花千栄子さんと花菱アチャコさんのラジオドラマでのコンビは実話です(^-^)「おちょやん」では1作目が「お父さんはお人好し」ですが、実際にはこれは3作目であり、第1作目は「アチャコの青春手帖」でした。

浪花千栄子さんは「おちょやん」のヒロイン、竹井千代のモデルで大阪の母と慕われた女優です。

松竹新喜劇の看板女優として活躍していましたが、夫の裏切りにより新喜劇を退団し、その後行方不明になっていました。

それから1年後、当時の大人気漫才師の花菱アチャコさん主演のラジオドラマが企画され、その相手となる母親役に浪花千栄子さんの名が挙がり、ディレクターが必死で探し出しました。

当時生活に困窮していて、女優としてもこのまま終わりたくないという意地もあり、浪花千栄子さんはこの話を快諾。

その後花菱アチャコさんといくつかのラジオドラマで夫婦役を演じたことからドラマや映画の出演も増えていきました。

これから「おちょやん」では女優、千代の復活が描かれていくでしょう。どん底まで落ちた千代。周りの人に支えられ、快進撃が始まります(^-^)

アドリブ満載の千代と当郎のラジオドラマ、どうぞ楽しみにしていてください!

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