2020年12月12日から前編・後編と放送されるNHKのドラマスペシャル「ノースライト」。
西島秀俊(にしじまひでとし)さん主演の「ノースライト」の原作は横山秀夫(よこやまひでお)さんの長編小説。
このドラマでキーとなるのは、ある「椅子」の存在。
その椅子は「ブルーノ・タウト」ゆかりの椅子であり、ストーリーの真相の重要なアイテムとなってきます。
今回はドラマ「ノースライト」に登場する「椅子」と「ブルーノタウト」についてご紹介していきます。
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ノースライトは椅子が重要なアイテムに!ブルーノタウトとは?
まずは、以下ドラマ「ノースライト」のあらすじです。
「あなた自身が住みたい家を建てて下さい」
それがY邸の依頼人・吉野陶太(伊藤淳史)から、建築士・青瀬稔(西島秀俊)に託された唯一の注文だった。
バブルが弾けて以降、妻・ゆかり(宮沢りえ)とも別れ、流れ作業のような仕事に身を任せていた青瀬にとって又とない機会だった。
建築予定地は信濃追分。
青瀬は所長・岡嶋昭彦(北村一輝)の応援を受け、すべての思いを託してY邸を完成させた。
依頼人・吉野陶太の家族も満足そうであった。
だが、その一年後、吉野陶太一家が、その吉野邸に引っ越していない事が発覚する。
Y邸の中にあるのは、ブルーノ・タウトゆかりの椅子だけ。
吉野一家に、一体、何が起こったのか?
この出来事に、ゆかりは関わりがあるのか?
そして所長・岡嶋には、公共事業にまつわる贈賄嫌疑がかかる。
岡嶋の無実を信じる青瀬は、岡嶋の悲願である公共事業コンペへの挑戦を決意する・・・
引用元 公式サイト
建築士の青瀬が「自分が住みたい家」を建てて良いという、不思議な依頼を受けます。
しかし、そんな依頼を喜び、満足したY邸が完成!!!
しかーーーし、依頼人の吉野ファミリーは、Y邸に引っ越してきてないことが、1年後にわかります。
Y邸を訪れると・・・なんと椅子だけが置かれていました。
その椅子は「ブルーノタウト」にゆかりのある椅子って・・・ブルーノタウトってなに!?
以降で詳しく紹介していきます。
ノースライトのブルーノタウトとは?
ブルーノ・タウトは、1880年生まれのドイツの建築家で、鉄のモニュメント(1910年)、ガラスの家(1914年)が評価されています。
#ドイツABCの旅 「M」は東部ドイツの街マクデブルクを!神聖ローマ皇帝が愛した古都は、実はドイツでも知られざる極彩色(?)。百水ことフンデルトヴァッサーが作った最後の建築と、そして1920年代にブルーノ・タウトらが作った目がチカチカするくらいカラフルな街並み。異空間に紛れ込んだような。 pic.twitter.com/J3jEDvObeX
— kawachi_berlin (@berlinbau) May 13, 2020
ドイツの建築家ですが、実は日本にゆかりがあるんです。
1933年にナチスの迫害から逃れるために日本に滞在していたんです。
日本インターナショナル建築会が、3年間お世話をしていたそうです。
1880~1938。ドイツで前衛的な建築作品を発表したが、ナチスの迫害を逃れ、33年に来日。36年まで滞在した。桂離宮や伊勢神宮、白川郷の合掌造り集落などを著書「日本美の再発見」で称賛した。来日前に手がけた集合住宅は、世界遺産に登録されている。
ブルーノタウトは桂離宮を世界に広めた最初の建築家だったと言われているそうです。
今日は #文化の日 。当たり前と思っている私たちの暮らしが、国際的に見れば実はとても価値があるということがあります。本書は半世紀も前に書かれたものですが、いまだ古びることなく読み継がれる日本文化論の古典です。
ブルーノ・タウト『日本美の再発見 増補改訳版』☞ https://t.co/lRBbouM8dW pic.twitter.com/P5Lt7LES6j
— 岩波書店 (@Iwanamishoten) November 3, 2020
また日本建築の最高峰として伊勢神宮をあげ「世界建築の聖祠」とたたえていました。
そんなブルーノタウトに関する書籍は多数出版されています。
日本に3年滞在して、日本の建築を見たり、大学で講義したり、様々な活動をしていましたが、日本では建築の仕事を与えてもらませんでした。
滞日中に、タウトに設計を依頼するという計画は何度か持ち上がったのですが、実現まではいたりませんでした。
なので、日本での将来に不安を感じていたブルーノタウト。日本での親友となった上野が、日本にいても建築家としての仕事はできないかもしれないので、トルコへ行き、建築の仕事をしたほうがよいと勧められたことから、トルコ行きを決意。
その後トルコに行き、1938年にトルコで58歳にてお亡くなりになりました。
ブルーノ・タウトの椅子といえば、緑の椅子が有名です。
天童木工さんによる、ブルーノ・タウト「緑の椅子」復刻。見に行きたいなー。https://t.co/Dwsp93yCXv
— Takashi Watanabe (@ctakawatanabe) July 18, 2018
ブルーノ・タウト氏デザインの「緑の椅子」復刻に技術協力させていただきました。天童木工の得意とする成形合板技術を活かし、そのスレンダーなボディーには高度な技術を必要とする「不等厚成形合板」を用いています。https://t.co/VAHQLANohG #少林山達磨寺 pic.twitter.com/XXIjZeKIfZ
— 天童木工 (@Tendo_mokko) June 19, 2018
ブルーノ・タウトは日本にいたときに、日本の伝統や作品などに触れ、いろいろな家具の試作もされていたとのこと。
そのひとつがこの「緑の椅子」です。
湾曲の作りになっていたので、当時の技術では作ることができなかったそうです。
そんな日本にゆかりのある、建築家の「ブルーノタルト」ゆかりの椅子が登場します。
そんなドラマ「ノースライト」のブルーノタルトの椅子のネタバレを以降でご紹介します。
ノースライトの椅子がとブルーノタルトのネタバレ原作!事件の真相とは?【閲覧注意】
では、ここで原作小説から、事件の真相をネタバレしていきます。
Y邸にのこされていた椅子が、建築家のブルーノ・タウトの作品だとわかった青瀬は、タウトに詳しい記者に会い調べていきます。
すると、タウトが住んでいた家に、同じ椅子が存在することが判明。
そして、そのタウトの住んでいた家に、行く不明になっている吉野(伊藤淳史)も訪れていて、吉野に仙台にルーツがあると語っていたことがわかりました。
それを聞いた青瀬は仙台にいきます。
そして、吉野の父の伊佐久にたどり着きます。
伊佐久は、木工職人で、タウトに弟子入りを希望していましたが、途中で挫折したとのこと。
ところが、タウトから椅子の設計図を伊佐久は受け取っていたことがわかりました。
それから数日後、青瀬の元に行方不明になっていた、吉野から手紙が届きます。
そこには驚きの真実が語られていました。
青瀬の前に現れた吉野夫婦は、実は兄妹で青瀬の父と会ったことがあると綴られていました。
ちなみに青瀬の父親役は寺脇康文さんが演じます。
回想シーンで出演すると思います。
青瀬は子どものころ九官鳥を飼っていましたが、逃げてしまい父が探しに行き、そこで転落死してしまった過去が。
しかし、その手紙には、父親の転落死の真実が語られていました。
逃げ出した九官鳥を幼かった吉野兄妹が捕まえ、かわいがっていましたが、探しに来た青瀬の父に返します。
ですが九官鳥を欲しがる娘のため、伊佐久は青瀬の父を追い、タウトが設計した椅子と交換してほしいと頼みます。
「息子の大切な鳥だから」と断り「1万円でその椅子を買わせてほしい」言った青瀬の父。
すると「貧乏人」だと言われたようで腹がたった伊佐久と青瀬の父は、揉みあいとなってしまいます。
その結果、青瀬の父が転落死してしまった、と書かれていたんです。驚きの真実を知ることになった青瀬。
吉野の父親はずっと、真実を告白することができず後悔していました。
そして、死の間際に青瀬にお詫びをするよう、自分の子供たち(吉野兄妹)に言い残し息を引き取ったのでした。
兄弟は、興信所に依頼し、青瀬の妻のゆかりに連絡を取りましたが青瀬が「お金を受け取るタイプではない」と言われてしまいます。
その結果考えたことがY邸の建築依頼でした。
そう、Y邸の建築は、父親からの使命を託された吉野兄妹が考えた、自分たちなりの罪滅ぼしだったんです。
そして手紙には「Y邸を譲る」と書かれていました。
青瀬はそのY邸で、ゆかりや日向子と家族の再生をする決意をするのでした。
ノースライトの椅子のブルーノタウトとは?ネタバレ真相まとめ
ドラマ「ノースライト」の椅子とブルーノタウトについてのまとめ、いかがだったでしょうか?
日本の工芸品の普及はデザインの向上に大きな影響を与えた建築家の「ブルーノタウト」。ゆかりのある椅子が登場するので、ルーツを考えながら見ると面白いかもしれないですね。
ドラマのストーリーもお楽しみください!