TBSの日曜ドラマ「ブラックペアン」が4月22日から始まりました!
豪華キャスト陣の演技がすごいと話題です!
そんな中、気になるのが「ブラックペイン」というタイトル。
原作小説を読むまで全然知らなかったのですが、今回勉強になりました。
そして、原作を読むと・・・タイトルには深い意味が込められていたんです。
今回はドラマ「ブラックペアン」のタイトルの意味とタイトルにまつわる衝撃の結末と真相を原作からネタバレしていきます。
原作を結末までネタバレしていくので閲覧注意です。
ブラックペアンの意味とは?
[blogcard url=”https://dorama-netabare.com/archives/34454″]ペアンとは「ペアン鉗子」のことです。
ペアン鉗子とは、外科手術用の止血鉗子です。
「ペアン」という名称は、19世紀後半、フランスで活躍した医師 ジュール・エミール・ペアン(Jules Emile Pean:以下、Dr.ペアン)の名前に由来します。当時、Dr.ペアンは、ウデが良い医師として、とても人気の高い外科医で、フランス以外の国々にもその名声が届いていました。
引用元:https://www.kango-roo.com/sn/k/view/1796
[blogcard url=”https://dorama-netabare.com/archives/34399″]実在の外科医の名前をとって付けられた、止血用の医療器具です。
原作でもドラマでもばっちり出てきていましたが、外科医の佐伯教授が最後の仕上げに使用しているのが黒いペアン。
佐伯教授がこの黒いペアンを使っているのには、深い理由があったことが原作のラストで明かされます。
ブラックぺアンを使用する理由とは?原作の衝撃のネタバレ!【閲覧注意】
以降、原作の結末をネタバレするので、知りたくない人は絶対に見ないでください。
タイトル「ブラックペアン」の意味を語るのに重要なのは、佐伯教授と渡海の過去からの関係です。
原作小説は1988年の設定でストーリーは進みますが、物語は更に17年前にさかのぼります。
<17年前のブラックペアン置き忘れ事件>
[blogcard url=”https://dorama-netabare.com/archives/34408″]当時、佐伯教授(内野聖陽)が若いころの話です。佐伯教授と渡海(二宮和也)の父親渡海一郎は盟友でした。そう、父親の一郎も医者でした。
そして佐伯教授とともに東城大学病院で働いていました。
2人の関係は良好でした。
その関係性は自分が海外での国際学会の発表で病院を留守にした時に留守中のフォローを他の科であった渡海の父親に頼むほどでした。
渡海の父親のことを佐伯は非常に信頼していたのです。
佐伯が学会でスペインに出発してから急患で入ってきた飯沼達次という患者の念のため撮影したX線写真を見て渡海の父親は茫然とします。
なんと体の中にペアンが置き忘れられていたのでした。
そして飯沼達次の体内にペアンを置き忘れてしまった医師が佐伯であることがわかります。
渡海の父親はすぐに病院の当時の大林教授にその件を報告。すると教授はペアンが体に置き忘れていたことを知っていて、隠蔽し続けたことがわかります。
渡海の父親は必死に大林教授の説得を続けて、佐伯の許可が下りれば手術しても良いと許可を出します。
しかし佐伯から届いた電報には「飯沼氏のペアン摘出を行うべからず」と。
この電報を見てから、病院内の周囲や大林教授の態度は一変。当時佐伯は教授の代わりに手術を引き受けていました。というのも当時の教授は手術が下手だったのです。
教授にとって佐伯は大事な存在。部下とはいえ佐伯の言葉は絶対でした。
それでもペアン摘出手術を主張した渡海の父親。その言動は私利私欲にまみれた大学病院ではあり得ないことでした。
このことから、佐伯が海外から帰国する前に渡海の父親は離島の病院に飛ばされてしまったのです。
そのことを渡海は知っており、佐伯には、他の人間にはわからない感情を抱いていました。
<20年前に遡るペアン置き忘れ事件の真実とは?>
[blogcard url=”https://dorama-netabare.com/archives/35086″]ペアン置き忘れ事件の真実が原作のラストで明かされています。
渡海(二宮和也)は父親の復讐のためなのか、用意周到に根回しして、佐伯(内野聖陽)が遠方に出かけている時に飯沼達次に事実(ペアンが体にあること)を伝え、東城大学病院に搬送させ、急患だと嘘をつき、留守中のフォローを佐伯から命じられていた高階(小泉孝太郎)に知らせます。
もちろん、佐伯が手術で医療ミスでペアンを体内に置き忘れていたことも。
これは、渡海(二宮和也)の佐伯(内野聖陽)への復讐だったのです。
そのことを知った高階(小泉孝太郎)は、渡海(二宮和也)に促され摘出の緊急手術を決行。
もちろん佐伯は学会の会場から、必死に手術を止めます。
しかし、高階と渡海は2人で摘出手術を強引に進めるのでした。
そして、体の中のペアンの摘出を終了した時、大量の出血が。そこに佐伯が学会先から到着します。
佐伯は「小僧どもがとうとう地獄の扉を開けたな」と衝撃の発言。そして20年前のペアン置き忘れ事件の真実を語ります。
佐伯教授は飯沼達次の直腸穿孔を手術をした際に仙骨前面の静脈からの出血を止められず、やむをえずペアンを患者の体内に留置したまま閉腹。
「置き忘れではない。外すことができなかったんだ。」と佐伯。
患者と家族に告げるべきだったと思ったが、素人に事実を納得させる自信がなく話せないまま、本人と家族に伏せたまま、退院させました。
もちろん、後でフォローはきちんとするつもりでした。
しかし後に、同じ病院で働いていた渡海の父親渡海一郎は、レントゲンでこのペアンが置き忘れられていることに気付き、手術をするように働きかけます。
先述したように、佐伯教授は学会でスペインに滞在していました。
そして佐伯から「飯沼の手術をするな」という連絡(電報)を受けたことから、病院の教授陣が、佐伯の不利益になると考えて、渡海の父親を離島の病院に飛ばしてしまいした。
もちろん佐伯教授はそんなつもりで電報を打ったのではなく、とりあえず手術を待ってもらって帰国してからきちんと事情を説明するつもりでした。
しかし、教授や周囲が佐伯の意図を勝手に勘違いをして、渡海の父親にヒドイ仕打ちをしたのでした。
これは、20年後の1988年に渡海に「ペアン置き忘れ事件」真実を告白した後の佐伯の台詞です。
[blogcard url=”https://dorama-netabare.com/archives/34085″]「それからだ。私がブラックペアンを特注し、手術器具に必ず入れるようになったのは」
「ブラックペアンは私自身への戒めだ。自分の手技に溺れず今日までこれたのは、このペアンの存在があったからだ。そしてブラックペアンを使う時、それは私が外科医を辞める時だと覚悟していた」
これがブラックペアンの真実でした。
ちなみにこの事実を佐伯から聞くまでは、渡海は佐伯が悪意を持って渡海の父親を病院から追いやったと思っていました。
しかし佐伯はその一件の後、渡海の父親に会いに行き「大学に戻ってきて欲しい」と懇願。しかし渡海の父親はそれを断ったのでした。
そして「何とか罪滅ぼしをしたい」という佐伯に「息子を一人前の外科医に育てて欲しい」と頼んだのでした。
佐伯と渡海の関係がドラマではどのように描かれるのかわかりませんが、「飯沼達次」のレントゲン写真が出てきたので、かなり原作に近いかたちで描かれると思います。