様々な話題を呼んだテレビ東京の3週連続ドラマ特別企画もいよいよ最後となってしまいました。
テレビ東京開局記念日の4月12日に有終の美を飾るのは、主演のビートたけしさんを筆頭にコレでもかという程の豪華キャストが出演する『破獄』です。
そんな『破獄』ですが、実在した人物をモデルとして描かれているようなのですが…気になるモデルを暴いていきたいと思います。
さらに、以前にもドラマ化されているようなので、過去のドラマの出演キャストも合わせてご紹介していきたいと思います。
破獄とは?
[blogcard url=”https://dorama-netabare.com/archives/12077″]『破獄』とは、小説家・吉村昭氏の長編小説が原作になっていて、呼んで字のごとく「獄を破る」脱獄の話です。
脱獄の常習犯と看守との長きに渡る戦いの物語のようですね。
発行日は1983年で、吉村氏が56歳の時の作品です。
破獄のモデルは誰?
[blogcard url=”https://dorama-netabare.com/archives/7079″]では、そんな『破獄』ですが、実際にモデルとなった人物はいるのでしょうか?
調べてみたところ、作者の吉村氏が元看守をしていたという方から実際に起きた脱獄事件について聴取した内容も元に作られた物語のようで、その脱獄事件を起こしていたのが『白鳥由栄(しらとりよしえ)』という人物のようです。
非常に有名な人物でネットで検索すると画像(写真)がバッチリ出てくるので興味のある方は見てみてください。(著作権の問題でブログには載せられません!!すみません!!)
白鳥は、「昭和の脱獄王」の通り名を持つ脱獄の天才で、収監期間が26年間だったのですが、なんと脱獄が成功したのが4回もあるのだそうです。
しかも、看守はおろか誰一人傷つけること無く脱獄を成功させ、阻止しなければならない看守にまで、敬意を表し「一世を風靡した男」と言わしめた人物です。
[blogcard url=”https://dorama-netabare.com/archives/12917″]
そんな、白鳥が初めて刑務所に入る事になったのが1935年の事で、2年前に自身が起こした強盗事件の犯人として自首してきたのでそうです。
最初に白鳥が収容された青森刑務所は、あまりにもずさんな看守たちの対応だったため、脱獄を決意!見事成功させてしまいます。
その後も、再逮捕されては嫌気が差して脱獄を繰り返すこと4回。日本最北の地にあり、映画にもなっている「網走刑務所」にも収監されていたことがある。
まぁ、当然のように「網走刑務所」も脱獄したのですが…
最後に服役していた刑務所は、東京の「府中刑務所」で、脱獄を繰り返し、窃盗や障害、ついには殺人まで犯し、死刑判決が降ったにもかかわらず、情状酌量が認められた上に、受刑態度も改善されたことを理由に模範囚となり、1961年(54歳)に仮釈放の名目で出所しています。
その後、事件を起こすこともなく1979年に心筋梗塞が原因で死去(享年72歳)しています。
ここで一つ疑問が湧いてきますよね。白鳥は何故こんなにも脱獄することが出来たのでしょうか?看守もバカじゃないんだから、常習犯となれば相当警戒していたはずですよね。
実は白鳥には驚異的な能力が備わっていたんだそうです。
白鳥の伝説的な逸話をご紹介すると・・・
「1日に100km以上走り続けることが出来た。」
「手錠の鎖を引きちぎったり、米俵を両手に持って地面と水平に保てる程の怪力の持ち主。」
「全身の関節を自在に外すことが出来て、頭の通るスペースが有れば簡単にすり抜けられる。」
「味噌汁の塩分を利用して鉄格子を錆びさせるという発想を導けるほどの頭脳の持ち主。」
まさに、超人的ですね。この時代にオリンピックがあれば「金メダル間違い無し」だと思ってしまいました。
そうすれば、心が荒むこともなければ、刑務所に入ることもなかったのかもしれませんね。「生まれる時代が早すぎた」のでしょう。
オリンピックが無理だとしても、毎年年始に放送される『筋肉番付』くらいなら間違いなくNo.1になれたのにな~(笑)
そして、白鳥の記事を書いていて思い浮かんだのが漫画『ゴールデンカムイ』に登場する「脱獄王・白石」でした。『ゴールデンカムイ』は2016年の『マンガ大賞』も受賞している人気漫画です。
調べてみたところ、やはり白石のモデルも白鳥でした。
白石は、刑務所に入っていたにもかかわらず、どこかドジで愛らしく憎めないキャラなのに、脱獄には天才的な能力を発揮する。
調べていて思ったのですが、看守を傷つけないで脱獄したり、人道的な対応をされた時にはおとなしく収監されていて模範囚にまでなった白鳥は、本当は優しい人間で、身の上の貧しさや寂しさを紛らわす為に悪事を働いていたのではないかと錯覚してしまいました。
何となく、同情してしまうキャラクターですね。
過去に放送された破獄の出演キャストとは?
今回、新たに描かれる『破獄』の世界ですが、実は小説が発刊された2年後の1985年にもドラマ化されていたんですね。
作品の制作はNHKが担当していたようで、スペシャルドラマとして芸術作品賞を受賞しています。
2017年版では、看守長役のビートたけしさんが主演のようですが、1985年版は白鳥由栄がモデルとなっている佐久間清太郎が主役のようですね。
では、佐久間清太郎を演じたのは誰なんでしょうか?因みに2017年版では、山田孝之(やまだたかゆき)さんが演じています。
佐久間清太郎役は、当時若手では実力があり迫真の演技に定評のあった「緒形拳(おがたけん)」さんが務めています。緒形直人(おがたなおと)さんのお父さんですね。
次いで看守長・鈴江役が「津川雅彦(つがわまさひこ)」さん。役名は違いますが、この方がビートたけしさんが演じるポジションの方ですね。
さらに、中井貴一(なかいきいち)さんやなべおさみさんなども出演されていたようです。
津川さんの看守長役もなかなか迫力がありそうですね。
まとめ
[blogcard url=”https://dorama-netabare.com/archives/3336″]今回テレ東の特別企画『破獄』が放送されるということで、物語の肝とも言える脱獄囚のモデルや過去のドラマ化の紹介などをしてきました。
ビートたけしさんや山田孝之さんが出演されるというだけでも十分視聴したいと思えたのですが、個人的には『ゴールデンカムイ』の登場人物のストーリーとなると、さらに視聴意欲が増してきました。
その他にも、本当に豪華な面々の迫真の演技を期待したいですね。