俺たちの箱根駅伝は実話?元ネタやモデルはない?

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2026年10月から日本テレビ「土曜21時枠」でスタートする大泉洋さん・山下智久さん出演の青春群像劇ドラマ「俺たちの箱根駅伝」は実話?

「俺たちの箱根駅伝」は実話なのか、原作や元ネタ・モデル、原作に登場した実話エピソードなどについてご紹介します。

目次

俺たちの箱根駅伝は実話?

原作は?

ドラマの舞台は、「箱根駅伝」の生中継を担当する大日テレビのスポーツ局です。

チーフプロデューサーの徳重亮(大泉洋)は、編成局長から「紅白をこえる視聴率を!」と無茶な注文をつけられ、頭を抱えていました。
失敗の許されない国民的な生中継の裏側で、思いがけないトラブルが次々と起こり、徳重は決断をせまられていきます。
初めて大きな役目をまかされたディレクターの宮本菜月も、張り切るあまりまわりとぶつかってしまい、チームの足並みはなかなかそろいません。

一方、駅伝の世界では、古豪・明誠学院大学の新しい監督に、会社員の甲斐真人(山下智久)が突然選ばれたことが話題になっていました。
監督の経験がまったくない甲斐の型破りな指導に、陸上競技部の部員たちは不安と反発を感じていきます。

選手たちの「今」を届けようと中継に命をかけるテレビマンたちと、どん底からの逆転をねらう崖っぷちのランナーと新人監督。
箱根にすべてをかける人たちの、熱い戦いの物語です。

原作は、池井戸潤さんの小説『俺たちの箱根駅伝』(文藝春秋)です。
「週刊文春」で1年半にわたって連載され、池井戸さんにとって初めての上下巻での出版となりました。
十年以上にわたるくわしい取材をもとに書かれた作品で、池井戸さん自身も「もう二度と、こんな小説は書けないでしょう」と語っているほどの、まさに渾身の一作です。

ドラマを作るのは、1987年から箱根駅伝を生中継し続けてきた日本テレビ。
大会を主催する関東学生陸上競技連盟の全面協力のもとで作られています。

【原作者・池井戸潤さんとは?】
池井戸潤さんは、1963年生まれ・岐阜県出身の小説家です。
慶應義塾大学を卒業後、1988年に三菱銀行(当時)に入り、銀行員として働いていました。
1995年に銀行をやめ、コンサルタントの仕事やビジネス書の執筆をしながら、子どものころからの夢だった作家をめざします。

1998年、『果つる底なき』で江戸川乱歩賞を受賞して作家デビュー。
その後も、『鉄の骨』で吉川英治文学新人賞、『下町ロケット』で直木賞、『ハヤブサ消防団』で柴田錬三郎賞を受賞しています。

「半沢直樹」シリーズ、「下町ロケット」シリーズ、『陸王』『ノーサイド・ゲーム』『花咲舞が黙ってない』『民王』など、ドラマや映画になった作品もたくさんあります。
2024年には、映画『シャイロックの子供たち』の脚本を担当し、日本アカデミー賞の優秀脚本賞も受賞しました。

銀行員としての経験を生かした会社や組織の物語が多い池井戸さんですが、今回は初めて、スポーツの世界、それも箱根駅伝に挑んだ作品です。

実話なの?

『俺たちの箱根駅伝』は、実話ではありません。

原作本の最後には、「本作品はフィクションで、実在の場所、団体、個人等とは一切関係ありません」という意味の注意書きがあります。
ドラマに出てくる「大日テレビ」や「明誠学院大学」も、実在する会社や大学ではありません。

ただ、まったくの作り話というわけでもなさそうです。
いろいろなインタビューを読むと、池井戸さんは実際の箱根駅伝の関係者に、何年もかけて取材を重ねていたことがわかります。
そのため、物語の中には実話をもとにしたエピソードも盛りこまれていると思います。

ここからは、原作が生まれたきっかけや、モデル・元ネタについて、さらに深掘りしていきます。

俺たちの箱根駅伝は元ネタやモデルはある?

原作小説「俺たちの箱根駅伝」が誕生したきっかけとは?

関東の9つの大学のスポーツ新聞部の学生記者たちが、池井戸さんにインタビューした記事によると、物語が生まれたきっかけは、駅伝中継の関係者との何気ない雑談だったそうです。

その雑談で出てきたのが、こんな小さな疑問でした。

「ほかの中継ポイントは地名で呼ぶのに、なぜ『小涌園前』だけ、ホテルの名前で呼ぶのか?」

その答えとして、テレビ放送の第1回大会のときに起きたあるエピソードを聞いたことが、作品を書くきっかけになったといいます。
ドラマの公式サイトに寄せたコメントでも、池井戸さんは「こんな小さな疑問が、上下巻に及ぶ膨大なストーリーと人間ドラマに発展するとは思いませんでした」と話しています。

池井戸さんが最初に書きたかったのは、走る選手ではなく、テレビ局の人たちだったそうです。
お正月の2日と3日に、あれだけ長い放送時間を使う企画を通すのは、会社員としてとても大変なこと。
その放送を実現させた、テレビマンたちの奮闘や信念を描きたいと考えていたのです。

モデルや元ネタがない理由とは?

池井戸さんは、実際に日本テレビの副調整室(中継の映像を切りかえたり、指示を出したりする部屋)にも足を運び、現場の空気を肌で感じながら取材をしたそうです。

ところが、取材を続けるうちに、「箱根駅伝なのに、選手を書かないわけにはいかない」と感じるようになります。
そこで、大きな壁にぶつかりました。

実在の大学をモデルにすると、本気で競技に打ちこんでいる選手たちに対して、エンタメとして描くことが失礼になってしまうのではないか、と悩んだのです。
箱根駅伝を描くうえで何より大切なのは、「走る人へのリスペクト」。
だからこそ、特定の大学の名前を使うことは避けたかったといいます。

この悩みを解決したのが、「関東学生連合チーム」の存在でした。
関東学生連合チームは、箱根駅伝に出場できなかった大学の選手たちが集まって作られる、特別なチームです。
このチームなら、実在の選手に大きな影響を与えることなく、フィクションとして自由に描くことができます。

「この舞台なら書ける」と確信した池井戸さんは、そこから一気に筆を進めていきました。
テレビ局と学生、2つの立場から描くという今の形は、こうした悩みと、箱根駅伝への敬意から生まれたものだったのです。

つまり、モデルとなる実在の大学や選手がいないのは、箱根駅伝を本気で走る選手たちを大切に思うからこそ、だったんですね。

原作に登場した実話エピソードとは?

原作に登場した実話エピソードとは?

読売新聞のインタビュー記事でも、池井戸さんは作品が生まれたきっかけを語っています。

箱根駅伝は、1987年から日本テレビが生中継を続けてきました。
池井戸さんが小説を書こうと思い立ったのは、東京・大手町と神奈川・箱根の間を往復する200キロ以上のレースを生放送するために道を切りひらいた、当時のテレビ局員たちの挑戦を知ったことがきっかけだったそうです。

たとえば、こんな挑戦がありました。

  • 企画を通すために、まず「全国高校サッカー選手権」の中継で実績をつくった
  • 電波が届きにくい箱根の山の中から中継するために、アンテナを立てた

池井戸さんは、初代のプロデューサーたちから直接話を聞き、「サラリーマンとしてすごいチャレンジだと思った」と感じたといいます。
コースの下見なども進めましたが、現実のレースとフィクションの線引きに悩み、小説にするまでに10年ほどかかったそうです。

この初代プロデューサーとは、坂田信久さんのこと。
じつは坂田さんは、原作小説の中にも実名で登場しています。
そして、「高校サッカーの中継で実績をつくった」「箱根の山の中にアンテナを立てた」というエピソードも、実際に小説の中に描かれています。

このように、フィクションでありながら、現実の出来事や実在の人物がしっかりと物語にとけこんでいるのが、『俺たちの箱根駅伝』の魅力のひとつです。
わたしが気づいていないだけで、ほかにも実話をもとにしたエピソードがまだまだ盛りこまれているのでは?と思います。

【登場人物の名前にもこだわりが】


池井戸さんの作品に出てくる登場人物は、どの人も個性が強く、読み終わったあとも心に残りますよね。
その理由のひとつが、「名前」への強いこだわりです。

池井戸さんは、名前は作品全体の雰囲気や時代の空気を決める、とても大切な要素だと話しています。
『俺たちの箱根駅伝』では、実際に箱根を走る選手たちにどんな名前が多いのかを調べ、2000年前後の名前のランキングを参考にして、登場人物の名前を決めたそうです。

たとえば、親が陸上をしていた人だと、子どもに足が速そうな名前をつけることがあるそうです。
そこで、この作品の選手たちにも「走る」イメージのある名前をつけたといいます。
いっぽうで、選手を支えるスタッフなど、そのほかの登場人物には、それぞれのキャラクターに合った名前を考えたそうです。

池井戸さんによると、悪役には「黒」の字が入った名前を使うこともあり、やさしい人物にはやわらかい響きの名前を選ぶのだとか。
ちなみに、ドラマのあらすじには、視聴率を重視して中継のバラエティー化を求める編成局長「黒石武」(高橋克典)が登場します。名前に「黒」が入っているのは、もしかして……?と、つい考えてしまいますね。

こうした細かいこだわりが、物語の説得力と「本当にありそう」と感じさせるリアルさにつながっているのだと思います。
名前にこめられた意味を想像しながら読んだり見たりすると、登場人物のことがもっとよくわかって、物語をより深く楽しめそうです。

ドラマで、どの実話エピソードがどんなふうに描かれるのかも楽しみです。

俺たちの箱根駅伝のキャスト・出演者

【大日テレビ】

社長 竹芝秀彦(石丸幹二)
スポーツ局長 北村義男(市川猿弥)
編成局長 黒石武(高橋克典)

【大日テレビ 箱根駅伝中継スタッフ】

チーフプロデューサー 徳重亮(大泉洋)
センターディレクター 宮本菜月(伊藤沙莉)
ディレクター 野村豪輝(浅香航大)
ディレクター 松澤東吾(望月歩)
アシスタントディレクター 戸山知香(山田杏奈)
アシスタントディレクター 橋口歩(樋口拓哉)
技術チーフ 桑名哲(河内大和)
技術スタッフ 若宮徹(島丈明)

【大日テレビ アナウンス部】

アナウンサー 辛島文三(竹中直人)
アナウンサー 丸太真二(戸塚純貴)
アナウンサー 前田久志(平原テツ)
アナウンサー 横尾征二(蛯原哲)
アナウンサー 安原康介(阿部翔平)
アナウンサー 谷藤亜希(清水麻璃亜)

【大日テレビの関係者】

大手芸能事務所社長 田村健一郎(小日向文世)
お笑い芸人 畑山一平(生瀬勝久)

【明誠学院大学】

陸上競技部 監督 諸矢久繁(寺尾聰)
陸上競技部 新監督 甲斐真人(山下智久)
明誠学院大学・キャプテン 青葉隼斗(小林虎之介)
明誠学院大学・マネージャー 矢野計図(奥智哉)
明誠学院大学 前島友介(杢代和人)

【東西大学】

陸上競技部 監督 平川庄介(山本耕史)
東西大学 “ニュー山の神” 芥屋信登(雅久〈aoen〉)

【清和国際大学】

陸上競技部 監督 北野公一(駿河太郎)
清和国際大学 松木浩太(水沢林太郎)

【東邦経済大学】

陸上競技部 監督 大沼清治郎(金田明夫)
東邦経済大学 村井大地(樋之津琳太郎)

【そのほかの大学の選手】

品川工業大学 諫山天馬(菅生新樹)
目黒教育大学 富岡周人(荒木飛羽)
武蔵野農業大学 猪又丈(庄司浩平)
山王大学 倉科弾(林裕太)
関東文化大学 内藤星也(浅野竣哉)
調布大学 佐和田晴(堀家一希)
東洋商科大学 桃山遙(齋藤璃佑)
京成大学 乃木圭介(池田匡志)
武蔵中央大学 甘木誠(西野遼)
関東中央大学 咲山巧(山崎雄大)
多摩塾大学 峰岸蓮(相馬理)
東京中央大学 渡瀬拓(旭惟吹)
西南大学 和田風太(大原由暉)

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